2016.03.23

水を吸収した綿は想像を絶する重さ。干すために運ぶのが大変

私は35歳の専業主婦です。数年前のことでした。私の子供がノロウィルスにかかったのです。ノロウィルスは激しい嘔吐が特徴のため、布団は洗わざるを得ない状態となりました。布団を自宅で洗った経験などもちろんないし、聞いたこともなかったのですが、必要に迫られてこたつ布団と羽毛の掛け布団を自宅で洗ってみることにしました。

まず最初に洗ってみたのは、羽毛掛け布団でした。布団の中まで水が浸透しないように、液体の洗濯洗剤を薄めた水を洗面台に張り、少しずつ浸していきました。水につけた直後は、なかなか水がしみこまず汚れだけを洗える状態でした。汚れのひどいところは、中の羽毛まで濡れてしまいましたが汚れはしっかりと落とせ、手で絞るだけで簡単に脱水もできました。

次に取り掛かったのが、こたつ布団でした。こたつ布団はとても古いもので、今のような化繊の綿ではありませんでした。羽毛布団と同じように洗面台に水を張り、汚れている部分を浸したのですが、思っていたよりも広範囲を洗う必要があり、次々とこたつ布団は水を吸っていきました。そのとき、強烈な重さが私の腰を襲ったのです。水を吸い込んだこたつ布団は、想像を絶する重さになってきました。とても洗面台に乗せられる重さではなくなったため、風呂場に移動させました。風呂場でシャワーを使いながら、洗濯用洗剤で洗いました。こたつ布団は、全面で水を吸収しました。脱水も、手で絞るしかありませんでした。ところが、こたつ布団は手で絞れるような重さではなくなっていました。少しでも水を出して、重量を軽くしようと思い、足で踏んでみました。なんとか水は絞れましたが、ベランダまで運べる重さには程遠いものでした。それでも、風呂場で乾かすわけにもいかないため、ベランダまで引きずって持っていきました。ぐっしょりと濡れたこたつ布団を頭の上にのせて、ベランダの物干しざおにかけました。頭まで使わなければ、持ち上げることができなかったのです。

羽毛掛け布団は、乾きましたが、中の羽毛は塊の状態で乾きました。元のふんわりした感じは消えていました。また、こたつ布団は乾くまでに何日もかかりました。ベランダに干した直後は、あれほど絞ったにも関わらず、下からは滝のように水が流れ出しました。

羽毛布団もこたつ布団も、自宅で洗濯機で衣料品を洗濯をするときに使う、液体洗剤を使用しました。薄めに水溶液を作ったため、洗いやすくすすぎもきれいにできました。ただ、化繊の綿なら洗濯機や手洗いでも洗えたのかもしれないですが、綿のわたを使用した布団を自宅で洗うことは不可能な気がしました。私は、クリーニング代がもったいなかったわけでもありません。汚れが激しかったため、クリーニングに出すよりも自宅で気が済むまでこすり洗った方がきれいになると思い、自宅で洗ってみました。ところが、綿のわたは想像以上に水を吸収し、重くなります。私は、頭も部屋の中もびっしょりになりながら、なんとかベランダまで運ぶことができたからよかったものの、もしもベランダにも運び出せなかったら大変なことになっていました。捨てるにゴミ置き場まで運ぶことは無理だったと思います。自宅で洗濯をする布団の基準は、自宅の洗濯機の脱水機で脱水ができるものとした方が安全な気がします。

その後、洗濯した羽毛掛け布団はしばらく使って、ノロウィルスが落ち着くと同時に捨てました。やはりしぼんでしまった羽毛は乾いてもひらくことはありませんでした。そして、こたつ布団は完全に乾く前に捨てました。しっかり乾燥させてから、綿を打ち直しして使用することも考えましたが、今は洗いやすい手入れのしやすいこたつ布団がたくさん売られています。素材に合った手入れと洗濯方法が一番いいのだと実感した出来事でした。