2016.03.23

空手道着の襟元汚れを落とすためカビ漂白剤を使ったら・・・

37歳専業主婦です。当然家事は一手に引き受けています。洗濯もそのひとつ。天気が悪くて乾かない、1日2,3回回さないと間に合わない、ティッシュがポケットに入ったまま洗濯してしまったなど主婦なら誰しも経験するような多少のストレスはあります。

私は犬が好きで3匹飼っているのですが、寒がりの犬種で冬は犬用の服が必要です。犬用の服って結構値が張るんですよね。やんちゃな犬なのですぐぼろぼろになってしまい、思いたったのが私の古着をリメイクすることでした。裁縫は得意なほうではなかったので、最初は縫いやすいトレーナーやシャツを利用して作っていました。慣れてきたころに異素材のものにチャレンジしてみようと思い、スウェットとスウェットの間にニットを縫い込んだものを作りました。

我ながらなかなかおしゃれだなと鼻を膨らませたものです。当然犬ですから外で遊ぶのが大好きです。数時間で真っ黒に汚れてしまいました。私の服など安物ばかりなのでいつも通り洗濯機で一般衣類用粉洗剤でがしゃがしゃ洗いました。次に着せた時に犬にもいい香りが移るようにと柔軟剤もたっぷりと入れました。終了音が鳴り洗濯機のふたを開け、立ち上るいい香りに目を細めた次の瞬間、驚きで目を見開いてしまいました。我ながら斬新なアイデアでだと縫い込んだニット部分が一本の線状になっているのです。

服本体の1/3を占めていたはずなのに毛糸1本しか使っていないような単なる模様のようになっていたのです。要はニット部分だけ縮んでしまったのです。愕然としましたが柔軟剤のいい香りに気分を救われ、なんとか手で伸ばして干しました。乾いたものを見てみてもウチの犬の体型には合っていません。

しかし貧乏性の私。捨てることなどできずお笑い根性も相まって着せてみました。ぴったぴたのむっちむち。犬もロボットのような動きしかできません。ひとしきり笑った後、血が止まってしまうかも…と急に恐ろしくなり泣く泣く資源物としてゴミに出したのでした。ウチには犬もいますが息子もいます。これまたやんちゃな坊主たちです。礼節を学び、精神力を鍛えようと幼稚園の頃からフルコンタクトの空手を習わせていました。

柔道もそうですが道着というのはなかなか扱いづらいものです。生地が厚く乾きにくい。どんなに柔軟剤を入れてもガサガサのゴワゴワ。そういうものかと割り切っていつもの粉洗剤、色柄用の漂白剤(名前の刺繍が紺色だったため)を使い洗濯機で洗っていました。道着とは白ければ白いほどかっこいいものだという旦那のひょんな言葉から、息子のスポーツバッグから道着を取り出し眺めてみることにしました。

改めて見てみるとなんだか黄ばんでいるし袖元は真っ黒です。襟元などもっとひどく、うっすらカビまで生えていました。ぞっとしたのは言うまでもありません。それまで漂白剤を入れて洗濯していたので安心していました。しかしその漂白剤も色柄ものOKゆえの効果が弱いもの。しかも襟元のカビに関しては厚手の生地なので中までしっかり乾いていなかったのです。

クリーニングに出して一旦リセットしてもらうか…そんなことが頭をよぎりましたが、ここでまた私の貧乏性発動。ネットであれこれ調べた結果用いたのが、キッチン用のカビ漂白剤。希釈してつけこむとのアドバイスがあったのにも関わらず、自宅にあった泡スプレータイプのキッチン漂白剤を道着の襟元にそのまま振りかけて、こともあろうか一晩おいてしまったのです。

次の朝あわてて洗濯機で水洗いをし陰干しをして乾くのを待ちました。水玉模様のようになっていた襟元のカビはすっかり消えていました。カビ漂白剤を振りかけたのだからあたりまえか…と目的を達成した私は嬉しくて少々の塩素の香りなど気にも留めませんでした。

しかし、2日後の空手の稽古から帰った息子がそれまで見せたことのないような剣幕で私を責めました。母ちゃん、俺の道着に何をしたんだ、動けば動くほど何かがポロポロ落ちてくるぞと。塩素系漂白剤による襟元の劣化でした。それはもうボロボロでした。落胆した私、怒りが収まらない息子。この空気を一変させてくれたのが旦那でした。「白い道着もかっこいいけど、血が付いていたり切れている道着も味があっていいんだぞ。戦った証拠だからな」救われました。私だけは。腑に落ちない顔の息子を横目に、私の洗濯との戦いは長い道のりだなと痛感したのでした。