ドライクリーニングは水洗いと何が違う?汗汚れも落とすには?
衣替えの季節、家庭で洗濯できない衣類をまとめてクリーニング店に出す方は非常に多いことでしょう。
自宅で水洗いできないスーツやジャケット、コートなどはドライクリーニングでキレイにできますが、実は汗汚れや臭いまで落とすことができないって知っていますか?
ドライクリーニングの水洗いとの違い、そして汗汚れを落とす方法をご説明します。
ドライクリーニングとは?水洗いとの違いを解説します
家庭での洗濯方法は水洗いと呼ばれていますが、クリーニングでおこなわれるドライクリーニングとどのような違いがあるのでしょうか。
水を使わずに洗うのがドライクリーニング
洗濯機や手洗いなどの方法で水を使って洗う方法が水洗です。
具体的には、水に対しての耐久性がある素材の衣類を洗剤や石けん、漂白剤を用いてお湯で洗うことを指しています。インナーやワイシャツ、タオルなどの洗濯に向いています。
(※参考:水洗いのみで洗濯するやり方。)
一方、ドライクリーニングとは水を使わないで衣類を洗う方法のことです。
水で洗うと型崩れや縮み、色落ちが起きてしまう洋服の洗濯方法として、1800年代にフランスで発明されました。素材への負担を抑えられるため、水洗いできないウール素材のコートやスーツ、シルクのワンピースやスカーフなどに適した洗濯方法です。
ドライクリーニングで落ちるのは油溶性の汚れ
ドライクリーニングは水の代わりに専用の有機溶剤を使うのですが、この溶剤で落とせるのは油溶性の汚れになります。
油溶性の汚れとは、油汚れや皮脂、排気ガス、埃、化粧品などです。水洗いだけでは落とせない汚れが付着してしまったときは、ドライクリーニングに出すのがベターです。
しかしながら、水溶性の汚れを落とすのは水洗いの方が得意で、ドライクリーニングでは完全に落とすことは難しいとされています。水溶性の汚れは、例えばジュースやお酒といった飲み物、汗、汗じみなどです。汗による臭いも同様、夏場に大量の汗をかいたときや脇汗、わきが、加齢臭などはドライクリーニングでは対応しきれない場合があります。
ドライクリーニングで汗汚れを落とすにはどうすればいい?
ドライクリーニングは水洗いと違い、汗汚れを落とすのには向いていません。では、ドライクリーニングに出した衣類の汗や臭いはどのように対処すればよいのでしょうか。
ウェットクリーニングで汗汚れを落とす
洗濯表示で「水洗い不可」となっている洋服は、クリーニング店でドライクリーニングしてもらうしか方法がありません。
もし、そんな衣類にドライクリーニングが苦手とする水溶性の汚れが付いてしまったらどうすればよいのでしょうか。
クリーニング店では水を使った「ウェットクリーニング」をも実施しています。 家庭での洗濯ができないものを、専門的な知識と高度な技術をもって水洗いする方法です。本来であれば型崩れしてしまうような洋服でも、水を使うことが可能になります。
ウェットクリーニングは黄ばみ対策に有効
下着やインナー、ワイシャツなど、肌に直接触れる衣類は汗を吸い取りやすいものです。水洗いせずにそのまま放置しておくと、時間が経過するにつれて黄ばみが起こる可能性があります。特に、汗をかきやすい人、汗をかきやすい夏の時期は注意が必要です。
突発的に付いた水溶性の汚れを落としたいときはもちろん、定期的にウェットクリーニングに出すことをお奨めします。
クリーニング店によっては、「汗抜きオプション(加工)」「Wクリーニング」と呼んでいる場合があります。衣類を清潔に保つには、ドライクリーニングのあとにウェットクリーニングをおこなう「ドライ&ウェット」が望ましいですね。
クリーニングに出す基準とランドリークリーニングについて
お気に入りの衣類を洗いたいとき、自宅で水洗いするかドライクリーニングにするべきか迷ってしまいませんか? ここでは、クリーニングに出す基準をご説明します。
デザイン性の高い洋服はクリーニングに出す
洗濯表示で水洗い可になっている衣類は、自宅で洗濯することが可能です。
しかし、水洗いにはどうしても型崩れのリスクが付きもの。絶対に失敗したくない!という大切な洋服や、装飾の付いたジャケットやデザイン性の高いワンピースなどはクリーニングに出した方が良いです。
洗い方で迷ったときは、お店のスタッフに相談しましょう。
ランドリークリーニングも選択肢の一つ
ドライクリーニングやウェットクリーニングのほかに、クリーニング店ではさまざまな洗い方を洗濯できます。
水に耐久性のある素材の場合、ランドリークリーニングも選択肢の一つに挙げられます。
ランドリークリーニングというのは、大型のドラム型洗濯機を用い高温(40~70℃)の水で衣類を洗う方法です。
家庭用洗濯機に比べ、漂白効果が高く洗い上がりが良いので自宅での洗濯が面倒なときに利用してみてはいかがでしょうか。
まとめ
ドライクリーニングと水洗いとでは、落とせる汚れに違いがあることがお分かりいただけたでしょうか。
汗汚れが気になるときは水洗いが必要になるため、家庭で洗濯できない衣類はプロの手でウェットクリーニングを施してもらいましょう。
現在2児の母、ライティングの仕事をしながら主婦業に励んでいます。
クリーニング店で長年勤めた経験と知識で家庭でもできる洗濯の知恵をご紹介します。