ワイシャツを家庭でシワなく真っ白に洗濯する基本とプロの技
スーツの胸元からのぞく真っ白でシワのないワイシャツ。それだけでもう仕事のできる男性という感じがします。でも現実には家庭でワイシャツを真っ白に、しかもシワなく維持していくのは難しいことですよね。そんなワイシャツの洗濯で悩んでいる方に、プロのコツをお教えします。
洗濯する前にチェックすること
まず、何事も事前の準備が必要ですが、ワイシャツの洗濯でもそれは当てはまります。では、何をしておけばよいかというと、2点あります。
・ポケットに不要なものが入っていないか確認しよう
1点目は、ポケットの確認です。ワイシャツには左の胸元にポケットがついています。何かと便利なポケットですので、レシートやメモを書いた紙、ペンやクリップなどを入れてそのままということもあります。
紙類は洗濯すると溶けてワイシャツに張り付いてしまいますし、ペンやクリップなどの金属は布自体を傷める原因になります。
洗濯前にひと手間でワイシャツの痛みを原因を取り除けますので、忘れずに行ってください。
・洗濯物の取り扱い絵表示をチェックすることが大切
2点目は、洗濯物の取り扱い絵表示を確認することです。
絵表示は多くの場合、ワイシャツの前身ごろの内側についています。そのワイシャツがどんな素材でできていて、どんな方法で洗濯するのがベストかという情報を知ることができるものです。
言いかえれば、製造したメーカーが推奨する、そのワイシャツにもっとも適した洗濯の仕方が書かれています。
絵表示は、日本工業規格、JIS規格が制定しているもので、2019年1月現在で使われている絵表示は2016年11月から改定された新しいものです。
洗濯機で洗えるのか、漂白剤は使えるのか、洗剤の種類、使う水の温度などが書かれています。
これはメーカーサイドが洗浄テストを繰り返した結果に基づくもので、絵表示通りに洗濯するのが、もっとも汚れが落ち、きれいになるのです。
襟・袖の部分汚れを落とすには?
「お昼に食べたラーメンの汁がとんだ」「飲んでいたコーヒーをこぼした」など、汚れには外的な要因もありますが、ワイシャツの汚れの主な原因汗と皮脂です。
襟元と袖の部分に黄ばみや黒ずみができるのは汗と皮脂汚れが原因ですが、「女性に比べ男性のほうが黄ばみや黒ずみなどの汚れが目立ちやすい」のといわれています。それは、男性のほうが皮脂の分泌量が多いからです。成人男性の皮脂の分泌量は、女性の2倍といわれています。
皮脂や汗の汚れは放っておくと黄ばみや黒ずみの原因になりますので、きちんと対処しておくことが大切です。
襟・袖汚れの落とし方のポイント
まず、洗濯には40度前後のお湯を使うこと。皮脂や汗はお湯で落ちやすいので、夏でも冬でもお湯を使うことをおすすめします。
汚れがひどい場合は、漂白剤を使うとよいでしょう。ワイシャツの素材によっては使えるもの、使えないものがあるので絵表示を確かめてから使うようにしてください。
漂白剤を使う場合、重要なのは容量を守ること。多く入れたからといって白くなるものではありませんし、生地自体が傷む原因にもなります。
襟元や手首の汚れが気になる部分に漂白剤をつけ、もみ洗い。全体的に黄ばみや黒ずみが目につくようなら洗濯洗剤と一緒に使うとよいですよ。
また、白いワイシャツなら台所用の洗剤を使うのもおすすめです。このとき汚れを部分に適量をつけ、もみ洗いをしたあと、通常の洗濯をしてください。
洗濯前の下準備でシワを軽減させる
汚れと並んでワイシャツの洗濯で悩むのが、洗濯ジワではないしょうか。
洗濯してシワができるのは、水分を含むことで膨らんだ繊維の分子が、他の衣類とこすれることでバラバラになるからです。洗濯ジワの困ったことは、アイロンをかけても伸ばしにくいことですが、実は、洗濯前の下準備で軽減することができるのです。
その方法はきちんとたたんでから、ワイシャツ1枚に対し1枚の洗濯ネットを使って洗うことです。
ワイシャツを洗濯ネットに入れる時のコツ
① まず、ワイシャツは裏返します。裏返すことで生地についた皮脂や汗の汚れが落ちやすくなります。
② ショップ風のたたみ方をしていきます。身ごろを肩幅の中ほどでおります。
③ 袖を付け根から、ワイシャツの中心軸と並行になるように折ります。
④ 反対側も同様に折ります。
⑤ 袖の部分を折り返し、そのまま全体を1回、折ります。
⑥ ネットに入る大きさに折ります。
ネットは、なるべく網目の細かいものを使うようにしてください。これだけで洗濯し終わったときのシワの状態が違ってきます。
シワを最小限に抑える洗濯のコツ
いよいよ洗濯ですが、ここにも押さえておきたいポイントがあります。それはコースの選び方と、柔軟剤や洗濯ノリの使い方です。
① コース洗濯では脱水時間に注意
絵表示に洗濯機OKの表示があれば標準コースで大丈夫なのですが、問題が1つあります。脱水時間です。
洗濯ジワもそうですが、洗濯による型崩れや生地が傷む原因の1つに脱水時間の長さにあります。
一般的にワイシャツなど薄手の衣類の場合、脱水時間は30秒ほどで大丈夫だといわれています。しかし、多くの洗濯機は、標準コースの場合で5分から9分と、非常に長い時間の設定なっています。
手洗いコースやドライコースがあれば、そちらを選択したほうが水流も優しく、脱水時間も短くなっていますので、洗濯ジワが少なくて済みます。
手動で設定が可能であれば、ぜひ、挑戦してみてください。
② 洗濯ノリの使い方
パリっとノリの効いたワイシャツ。気持ち良いですよね。買った直後のこの状態も、洗濯するたびにノリが落ちていきます。
ノリは生地にハリをもたせると同時にコーティングの役目を担っていますので、汚れがつくのを防ぎ、また、ついてしまった汚れを落ちやすくしてくれます。
液体の洗濯ノリを使えば、方法も簡単です。洗濯機の柔軟剤を入れる場所に注入しておけば、あとは洗濯機が勝手にノリ付けをしてくれます。
ワイシャツの干し方のコツ
洗濯ジワの少ないワイシャツを完成させるためには、干し方にもこだわりをもっていただきたいと思います。ポイントは最後の脱水が終わったら直ぐ干すこと。そして太めのハンガーを使うことです。
いくら脱水時間を短くしても、脱水後、放置したままにしておけばシワがついてしまいます。直ぐに洗濯機から取り出し、肩の部分をもって数回振ってシワを伸ばしておきます。
次に、軽くたたみ、片方の手のひらの乗せ、反対の手で軽くたたいてシワを伸ばします。
干すときは太めのハンバーを使います。肩の部分が抜けるなどの型崩れを防げますし、ワイシャツが含んでいる水分でシワを伸ばすことができます。もちろん、ハンガーにかけた段階でシワを伸ばすことを忘れてはいけません。
手早く、太めのハンガーで、工程ごとにシワを伸ばしながら干す。これがポイントです。
まとめ
家族にビジネスマンがいる家庭では、ワイシャツの洗濯は毎日のこと。その洗濯のさいに少し手をかけておけば、あとのアイロンがけがグッとラクになりますし、何より大切な人にシワのない真っ白なワイシャツを着せてあげることができます。
ワイシャツを真っ白に洗い上げ、シワを防ぐポイントは、襟・袖汚れを落とし、洗濯ネットに入れて洗い、脱水時間を短くすることです。また、乾燥時はしっかりシワを伸ばし、太めのハンガーにかけて干します。
ポイントを押さえて、清潔感のあるワイシャツに仕上げてくださいね。
現在2児の母、ライティングの仕事をしながら主婦業に励んでいます。
クリーニング店で長年勤めた経験と知識で家庭でもできる洗濯の知恵をご紹介します。