酸素系漂白剤を洗濯で使う方法とは？

公開日: 2019.09.20（更新日: 2020.02.08）

衣類に付いたシミや食べこぼし、汗じみなどをキレイにしてくれる漂白剤。
「漂白剤」と聞くと、どうしても洗濯物の色落ちや素材へのダメージが気になりませんか？

ですが、漂白剤の中でも「酸素系漂白剤」は、漂白剤特有のツーンと鼻をつくにおいがなく、家庭で使用しやすいというメリットがあります。
酸素系漂白剤を正しい方法で使えば、衣類を傷めることなく仕上げることが可能なんです。

ここでは、酸素系漂白剤を洗濯で使う方法を説明します。

洗濯に便利！酸素系漂白剤の特徴や注意点について解説

そもそも、酸素系漂白剤とはどのような漂白剤なのでしょうか。
「酸素系漂白剤を使ったことがない」という人、「使ったことがあるけれど色落ちしてしまった」という人も、まずは特徴や注意点を知っておきましょう。

酸素系漂白剤は文字通り漂白効果のある洗剤で「粉末タイプ」と「液体タイプ」に分けられます。

粉末タイプは過炭酸ナトリウムが主成分です。
水に溶けると活性酸素が発生するため、通常の洗濯では落としきれないシミなどの汚れを分解する性質を持ちます。
アルカリ性自体に脂性の汚れを乳化し落とす働きがあるため、相乗効果が得られるのです。

一方、液体タイプは過酸化水素と界面活性剤でできているため、粉末タイプに比べて洗浄力はマイルドです。
酸素系漂白剤には除菌作用や消臭作用もあり、サッパリとした洗いあがりを実現してくれます。

ちなみに、塩素系漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムが主成分となっており、強力な漂白力を発揮します。
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤を併用すると互いの漂白力を弱め合ってしまうため、一緒に使うことはできません。単独での使用が推奨されています。

また、酸素系漂白剤と酵素系洗濯洗剤とは全くの別物です。
酵素はプロアテーゼやリパーゼなど特定の汚れに働きかけるもので、洗剤に入れることで洗浄力を高められます。

ちなみに、「酵素系漂白剤」という表記をよく見かけますが、酸素系漂白剤の誤記と考えられます。

酸素系漂白剤は木綿や麻などの化学繊維、白や色もの、柄ものの洗濯に向いています。
家庭の洗濯機で水洗いできる衣類であれば問題なく使用可能です。

その反面、ウールやシルクといったデリケートな素材や色落ちしやすい布製品(草木染めなど)には向いていません。
水洗いできない衣類はもちろんですが、自然素材や金属の装飾、金属染料が用いられた衣類にも使用できないので注意が必要です。

水洗い可のウールやシルクの場合、液体タイプの酸素系漂白剤であれば使用できます。

実際に酸素系漂白剤を使って洗濯をしてみましょう。
正しい使い方を知っておけば、大切な衣類を色落ちさせることなくきれいに仕上げることができますよ！

酸素系漂白剤は洗剤と一緒に入れても問題はありませんが、先に洗剤で衣類の汚れを落としてから漂白剤を使った方が、より漂白効果が高まります。

まずは下処理として洗剤で洗濯しておくと良いです。
洗濯機や手洗いですすぎをおこなったら、衣類をつけ置き洗いします。

酸素系漂白剤は水に溶けやすい性質を持ちますが、温度が低すぎても高すぎても漂白効果が薄くなってしまいます。
洗い桶や洗濯機に40℃くらいの温かいお湯を入れ漂白剤を溶かしたら、衣類を浸して20～30分程度放置しておきましょう。

漂白剤の使用量は水30Lに対し大さじ1.5～2杯(約15～30g)が目安です。
酸素系漂白剤の洗浄力は、つけ置きの時間と量に比例します。洗濯物の量や汚れ具合に応じて調節してください。

つけ置きの後はキレイな水でしっかりとすすぎをおこないます。
洗濯機の洗いなら1～2分で十分です。

酸素系漂白剤を洗濯に使用できるかどうかは、事前に衣類の洗濯表示で確認しておいてください。
漂白剤に関する洗濯表示は「酸素系漂白剤も塩素系漂白剤も使用可能」「酸素系漂白剤が可能、塩素系漂白剤は禁止」「酸素系漂白剤も塩素系漂白剤も禁止」の3種類です。

また、色落ちしやすい衣類やシルク、ウールなどたんぱく質でできた素材、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は酸素系漂白剤のつけ置きに向かないので避けた方が良いでしょう。

心配であれば、漂白剤を使う前に色落ちチェックをおこなうと良いです。
白いハンカチに漂白剤を含ませ、衣類の目立たない部分で軽く叩くだけでOK。もしも色移りがあるようなら、漂白剤の使用は控えてください。

また皮膚が弱い方の場合、アルカリ成分が肌荒れを起こす可能性があるため、酸素系漂白剤を扱うときは手袋をしておくと安心です。

酸素系漂白剤を使った洗濯方法は、コツさえ覚えれば難しいものではありません。
とはいえ、素材によっては向かないものもあるため、絶対に色落ちさせたくない衣類には使わないことをお奨めします。

水洗いできないものやドライマークが付いたもののシミ抜きや消臭をおこないたいときは、クリーニングのオプションサービスの利用を検討してみましょう。

現在2児の母、ライティングの仕事をしながら主婦業に励んでいます。
クリーニング店で長年勤めた経験と知識で家庭でもできる洗濯の知恵をご紹介します。