ワイシャツの漂白~黄ばみ・黒ずみを撃退する方法~
「ワイシャツを着るたびに洗濯しているのに、すっきりと白くなった気がしない」と、感じたことはありませんか。
真っ白な無地のワイシャツほど気になる汚れの原因は、皮脂と汗にあります。しかし、通常の洗濯の仕方では落とし切れてないのが実情。
今回はワイシャツの白さを実感できる漂白の方法をご紹介します。
ワイシャツの黄ばみ・黒ずみの原因
一般的にワイシャツの汚れの原因は、皮脂と汗。着ている本人から発生しているものです。
でも、女性の場合、白いブラウスを着ても男性のように襟元や袖口が汚れないのに、なぜ男性だけがと思っていませんか。実は、これは汚れの原因である皮脂が男性ホルモンの働きによるものだということが大きく関係しているのです。
女性の場合、思春期から成人までの間は、皮脂の分泌量は増えますが、それ以降は年齢を重ねるごとに減っていきます。
一方で男性は、思春期のころから皮脂の分泌量が急激に増え、30代ピークを迎えます。その後も横ばい状態が続くため、男性の皮脂の分泌量は女性の約3倍にもなるともいわれています。
男性のほうが皮脂の分泌量が多いため、同じ白い衣服を着ていても汚れる、というのがお分かりいただけたと思います。
しかし、毎日洗濯しているのに汚れが落ちていないように感じるのはなぜでしょうか。それは、洗濯用洗剤を使った通常の洗濯だけでは、完全に皮脂や汗の汚れが落ち切れていないということです。
皮脂は空気に触れていると酸化し黄ばみの原因になります。汗も生地に付着したままにしておくとシミの原因になり、埃などと合体して黒ずみの原因ともなります。
時間をかけて黄ばみや黒ずみなった頑固な汚れを完全に取り去るには、定期的に漂白するのが一番です。
漂白剤の種類
家庭で使われている衣類用の漂白剤は、大きく分けて2種類。
「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」です。
塩素系漂白剤
漂白力が強いのが特徴で、白いワイシャツや白いシーツなどを真っ白に仕上げたいときに向いています。
染料をも抜いてしまう危険性があるので、色柄ものには利用することはできません。ウールや絹などの動物系の繊維にも使えません。また殺菌力も強いため、菌や汚れを撃退してくれます。
酸素系漂白剤
塩素系に比べ漂白力が弱いのが特徴。
染料を抜くことがないので、色柄ものにも使えるのが特徴です。
カラーシャツや柄シャツなどに使えますので用途は広いのですが、それでもウールや絹といった動物系のものには使えないので注意してください。
ワイシャツの場合、綿にポリエステルなどの化繊を合わせたものが多いのですが、それでも使える種類と使えないものとがあります。洗濯物の取扱い絵表示に記載がありますので、それに従ってください。
参考:漂白剤の使用に関する洗濯取扱い絵表示 (消費者庁HPより)
漂白剤の形状は、塩素系も酸素系も液体と粉末の2種類があります。
液体は洗濯用洗剤と一緒に使うことが可能なタイプで、粉末はお湯などに溶いてから漬け置き洗いをするときに向いています。
使い勝手が良いのは液体タイプですが、汚れ具合や用途、洗濯物の種類に合わせて選ぶことが大切です。
漂白は「温度」「濃度」「時間」がカギ
漂白でワイシャツなどの白さをよみがえらせたい場合、通常の洗濯時に一緒に使用するのではなく、漂白剤で漬け置き洗いをしてからのほうがきれいに仕上がります。
漬け置き洗いで注意したいのが「温度」と「濃度」と「時間」です。
①温度
漂白剤は、温度が上がるほど効果も上がります。適温は30度~40度。
この温度のぬるま湯に漂白剤を溶かし、容器に書かれている表示時間、ワイシャツを漬けておくことで、漂白効果がアップします。
②濃度
漂白剤の容器の裏側を見ると「何リットルの水に対して何mlの漂白剤を使うこと」という表示が書かれています。
これはメーカーが推奨する濃度で、黄ばみやシミなどがもっとも落ちるとされている濃度、最大限、効果が期待できる濃度ということです。
より白く仕上げたいからといって容量を無視して入れても効果は期待できません。多く入れても飽和状態になるだけで、より白くなるということはないので注意してください。
③時間
時間とは漬け置きしておく時間のことです。
一般的には20分前後と書かれているものが多いですが、実は、漬け置き洗いして時間は、長ければ長いほど効果が期待できます。
一晩、漬け置き洗いをしておいても問題はありません。
長く漬け置いておくと汚れた水で再汚染しないかが心配ですが、再汚染防止の処理がほどこされていますので、長時間の漬け置きでも問題はありません。白いワイシャツなら1日でも大丈夫です。
色柄なら事前に色落ちしないかテストすることをおすすめします。
漂白効果は、使用する液の温度が高く、漬け置き時間が長いほど高くなるといわれています。その反面、色落ちや生地を傷める原因にもなります。
メリットもあればデメリットもあるのが漂白なのですが、一度や二度の漂白で生地がボロボロになることもありません。少しでもワイシャツへのダメージを低くしたいなら、温度と濃度を守るのは絶対条件です。
洗浄液を作る際、漂白剤と洗濯洗剤を一緒に混ぜて作ると、そのまま洗濯できるので便利です。
また、漂白したときは、最後にノリ漬けをしておくと洗濯ノリによるコーティング効果で汚れの付き具合が軽減されますし、次回の洗濯の際の汚れ落ちもアップします。何より洗濯ノリ効果でピシッと仕上がった真っ白なワイシャツは、魅力的ですよね。
クリーニングで白さとハリを復活
ビジネスマンにとって毎日のように着るワイシャツは消耗品。着る頻度が上がれば、いくら洗濯をし、漂白をし、洗濯ノリを効かせても、家庭では効果に限度があります。でも、まだ廃棄するにはもったいない。そんなときにおすすめしたいのが、クリーニングです。
ワイシャツをはじめとする衣類には、工場から出荷される際に衣類用のノリを効かせてあります。ノリは衣類自体にハリを持たせ、汚れを付きにくくするコーティング効果があります。
しかし、そのノリの効果も永久不滅というわけではありません。家庭で洗っているうちに抜けていくのが現実です。効果が半減することで黄ばみや黒ずみなどが気になるようになるのです。
専門店でのクリーニングでは、使用する洗濯液も漂白剤もノリも一般家庭のものより強力。買ったときの白さとハリがよみがえります。
ワイシャツをクリーニングに出す目安は、黄ばみや黒ずみが目立ってきたら。白さと同時にハリの実感を手にいれることができるタイミングです。
ワイシャツのクリーニング料金は、お店によっても異なりますが、安いお店では100円を切りますし、200円出せばおつりがくるお店が多くあります。
わずか200円足らずで新品同様のワイシャツに、もう一度、腕をとおすことができる。試してみる価値があると思いませんか。
まとめ
ワイシャツの黄ばみ・黒ずみは汗や皮脂が主な原因です。
家庭でワイシャツなどの白さをよみがえらせたい場合は、漂白剤を活用しましょう。
漂白は「温度」「濃度」「時間」がカギなので、使用時はパッケージの説明をしっかり読んでください。漬け置き洗いして時間は、長ければ長いほど効果が期待できるので、一晩漬けておいても問題ありません。
仕上げにノリ漬けをしておくと、洗濯ノリによるコーティング効果で汚れの付き具合が軽減され、次の洗濯時に汚れが落ちやすくなるというメリットも。
家庭でのお手入れに限界を感じたら、クリーニング店でプロに任せるのもおすすめです。
ワイシャツは、白いものはより白く、色柄ものは色合いと柄がくっきりしていることで、その魅力を最大限に発揮します。
家庭でのお手入れやクリーニング店によるケアによって、ワイシャツを買い換える頻度が低くなるわけですから、結果的に節約にもつながりますよ。
現在2児の母、ライティングの仕事をしながら主婦業に励んでいます。
クリーニング店で長年勤めた経験と知識で家庭でもできる洗濯の知恵をご紹介します。